保育園

保育園は公立と私立のどちらがいい?それぞれの特徴・メリットなどを解説

2021.08.11
保育園を選ぶ際、公立の保育園・私立の保育園どちらにすべきか迷う人は多くいます。どのような違いがあるのでしょうか。今回は公立・私立それぞれの保育園のメリット・デメリットを解説します。保育園選びに役立つ「保育園を選ぶときのポイント」や「認可保育園・認可外保育園・認証保育園の違い」もあわせて参考にしてください。
公立と私立の保育園の違いを見る前に、認可保育園に関する基本情報を整理しましょう。あわせて、認可外保育園(無認可保育園)と認証保育園との違いも解説します。
認可保育園とは、児童福祉法に基づいて国が定めた保育所の設置基準を満たし、都道府県知事の認可を受けた保育施設です。自治体から支給される運営費や補助金などで運営されています。

認可保育園は公立保育園と私立保育園の2つに分けられますが、国が求める基準は全く同じです。公立・私立の違いは後ほど詳しく解説します。
認可保育園以外の保育施設が認可外保育園です。無認可保育園とも呼ばれます。国が求める基準を満たす必要がない分、ユニークな教育方針を掲げていたり、教育プログラムを実施していたりする保育園が多いです。保護者の多様なニーズにも対応してくれます。

保護者からの直接徴収する保育料のみで運営しているため、認可保育園と比べると保護者の金銭的負担は大きいでしょう。具体的には、「東京都認証保育所」「市・区の保育室」「ベビーホテル」「企業主導型保育事業」などが認可外保育施設に含まれます。

対して認可保育園は、「認可保育所」「認定こども園」「事業所内保育事業」「地域型保育事業(小規模保育、保育ママ)」などです。
「東京都認証保育所」とは、東京都が求める基準を満たし、認定された保育所のことです。
都心部では国が求める基準を満たすことが難しい背景から、東京都が独自に基準を設けています。

定員・対象年齢は、0歳児保育、保育料、開所時間、基準面積などが認可保育園と異なります。認証保育園は0歳児クラスが必ず実施されており、定員の半分以上が0~2歳児です。開所時間も13時間以上と長く、幅広いニーズに対応しています。
厚生労働省の調査によると、2017年10月1日時点での公立保育園・私立保育園の数は以下の通りです。
・公立保育園:8,716施設
・私立保育園:18,421施設

平成29年
社会福祉施設等調査の概況
公立保育園を民営化する目的は、待機児童の解消・自治体の保育園運営費の負担軽減などです。民営化すると、非常勤職員・アルバイトなどが増え、子どもの受け入れ人数を増やせます。「早朝保育」「延長保育」の実施など、サービス向上も期待できます。

しかし、子どもの1人当たりの保育面積が小さくなったり、民営化による保育士の入れ替えによって、子どもにストレスがかかったりする可能性もあります。
公立保育園は、古くからある一般的な保育園のイメージです。教育内容や保育士の内情まで、メリット・デメリットを具体的に解説します。
公立保育園は、教育内容・保育の目標などがどの保育園もほぼ同じです。自治体が運営しているため、全ての公立保育園で同じ質の保育が受けられるように配慮されています。

保育園の立地や児童数によって活動内容に多少の特色はあるものの、公立保育園であれば一定の教育を受けられます。私立保育園のようなユニークな取り組みは、ほとんど見られません。
クラスごとの子どもの人数に対して、必要な保育士の数を必ず配置しています。自治体によってきっちりと決められているため、私立保育園に見られる人手不足にはなりません。

また、ほとんどの公立保育園が自治体の規定よりも多くの保育士を配置しています。保育士も余裕をもって、保育にあたっているといえます。
公立保育園の保育士は地方公務員です。公務員のため、私立に比べると待遇・雇用環境も良く、勤務年数が長いベテラン保育士が多い傾向にあります。初めての子育てであれば、特にベテラン保育士の存在は心強く、大きなメリットです。
公立保育園は園舎が大きく、園庭が広い傾向があります。外で安全に思い切り遊ばせたい方におすすめです。園庭が広いため、大型の遊具が設置できます。おもちゃも豊富に準備されています。

地域の子育て家庭向けに園庭解放を行っている保育園も多いので、入園を検討している場合は一度、利用してみましょう。保育園の雰囲気も感じられます。
公立保育園の保育士は、同じ自治体内での人事異動があります。年度ごとに5~10人程度異動してしまうため、卒園までのクラスの持ち上がりは期待しないようにしましょう。

一方、異動があることで保育士同士の人間関係が良い傾向にあります。保育士の気持ちの余裕は子どもにも影響しますので、職場環境もポイントのひとつです。
公立保育園は、私立保育園より延長保育の時間が短く、お迎えの時間にも厳しいです。公立保育園の保育士は地方公務員であるため、時間の融通はあまり利かないでしょう。
私立保育園は社会福祉法人・宗教系・株式会社運営など、各園によってそのイメージや方針が異なります。メリット・デメリットを具体的に解説します。
私立保育園は保育園によって独自の運営方針や教育方針を掲げています。英会話・リトミック・モンテッソーリ教育・体操教室など独自のカリキュラムを取り入れている保育園も多いでしょう。

私立保育園の場合は、教育方針がわが子にマッチしているかをよく検討する必要があります。
公立保育園よりも保育時間が長い傾向にあります。延長保育の対応時間も長く、突然の残業などで遅くなってしまったとしても融通が利きやすいでしょう。保育園によっては、延長保育時間中に補食や夕食を出してくれるサービスもあります。

また、Webアプリ配信サービスなどICTを活用する保育園も増えています。
私立保育園は公立保育園に比べると保育士の異動が少なく、気心の知れた保育士に見守ってもらえる可能性が高いです。子どもにとっても、愛着のある保育士と過ごす方が安心して過ごせます。

姉妹園やグループ園がある保育園の場合、異動もありえますが、公立保育園ほど頻繁ではありません。
私立保育園は公立保育園に比べると、施設が新しい傾向にあります。遊具やおもちゃなども最新のものをそろえています。
独自の教育方針・カリキュラムがあるからこそ、保育料以外の費用がかかります。例えば、制服がある場合は季節に応じて必要な枚数を購入しなくてはなりません。楽器や勉強ドリルなど、独自のカリキュラムや保育園内での習い事で購入が必要なものもあります。

入園したらどれくらい費用がかかるのか、見学時などに確認しておきましょう。
私立保育園は、若い保育士が多い傾向にあります。公立保育園と比べて雇用が安定しづらいため、結婚や引っ越しなどで離職する保育士が多いでしょう。保育園によっては、給料に対して仕事量が多い場合も離職率が高くなってしまいます。
気になる保育料ですが、認可保育園の場合、公立も私立も保育料は全く同じです。保育料は、世帯年収・住んでいる地域・保育時間・子どもの年齢・保育園を利用する兄弟の数という5つの条件で変動します。

認可保育園に直接保育料を払うのではなく、自治体に支払います。家庭によって支払う金額は異なりますが、公立・私立での保育料の違いはありません。
「認可保育園にするか、無認可保育園にするか」「公立か、私立か」というポイントの他にも、保育園を選ぶ際に押さえるべきポイントがあります。
多くの保護者が自宅や職場からの距離、送り迎えのしやすさなどで、保育園を選んでいます。登園時は家から近い保育園だと送りやすいでしょう。時間外保育を利用する場合は、職場の近くの保育園ですぐにお迎えに行けるようにする保護者もいます。

また、自宅の近くにある保育園を選ぶことで、同じ小学校に入学する友達もできやすくなります。
保護者の働き方のスタイルに合わせて、必要な保育時間の検討をしましょう。「何時から何時まで預けられるのか」「補食は出るか」「土曜日も開園しているか」など、認可保育園内での違いがあります。

入園前に、ご家庭にとって必要なサービスが整っているか確認しましょう。
園の教育方針やカリキュラム、雰囲気などが子どもに合うかよく検討しましょう。保護者が素晴らしいと感じた保育方針であっても、「わが子に合っているのか」という視点が重要です。

例えば、教育熱心な保育園に入り、クラスの勉強についていけず子どもが劣等感をもってしまうこともあります。スポーツ・音楽に力を入れている場合も同様です。特色がある保育園では、子どもに合うかどうかが重要です。
公立保育園・私立保育園のどちらを選ぶかは、「保護者の勤務スタイルに合わせて、必要なサービスがあるか」「子どもに合う保育園か」が重要なポイントです。まずは、通える保育園の情報を集めることが大切です。それぞれの家庭に合った保育園を見つけましょう。

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