保育園

保育園に入れない理由と対処方法|選考基準とあわせて解説

2021.09.22
待機児童が社会的に大きな問題となる中、保育園に入れず困っている方は多くいます。保育園に入れない理由は何でしょうか。この記事では、保育園に入れない場合の対処法を分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
特に認可保育園は、地域によって入園倍率が非常に高く、保育園に入れないことがあります。保育園に入りやすい家庭と、入りにくい家庭には、どのような違いがあるのでしょうか。選考基準や保育園の選考を有利に進めるためのポイントについて解説します。
認可保育園には、複雑な点数制の選考基準があります。地域によっては「ポイント」とも呼ばれます。この選考基準は、保育の必要性が高い家庭を優先的に入園できるようにするための仕組みです。

点数制の選考基準とは、「基準指数」と「調整指数」の合計点からなる「選考指数」の点数を基準にしています。それぞれの指数に加点されるか、減点されるかの詳細は自治体ごとに異なります。

家族構成・両親の就労状況・勤務形態だけでなく、健康状態・介護の必要な家族の有無なども加味されます。複雑ですが、少しでも点数を上げるために、住んでいる自治体の選考指数の詳細を調べておきましょう。以下で、一般的な「基準指数」と「調整指数」を解説します。
基準指数は家族構成や世帯所得、保護者の就労状況・勤務体系など、家庭の基本的な情報から計算されます。家庭の基本的な情報とは、以下のようなものが挙げられることが多いでしょう。

・保護者の就労状況:フルタイム勤務か時短勤務か、パート勤務か就学しているかなど
・家族の健康状態:病気や障がいなどの有無とその程度、介護が必要な家族の有無

夫婦でフルタイムで働いていれば、基準指数は満点です。けれど、調整指数の加点がなければ、保育園に入れない場合もあります。他にも、病気や障がいなどの健康状態や介護が必要な家族の有無も点数加減の対象であることもポイントです。
基準指数以外に、家庭の状況により加点・減点される点数のことです。例えば、以下のものが挙げられます。

・母子家庭・父子家庭
・兄弟がすでに認可保育園を利用している場合
・生活保護家庭
・虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)などの家庭事情

多くの要因が点数化され、配慮・加味されるため非常に複雑です。反対に、保護者に代わって面倒を見てくれる祖父母が同居している場合など、減点となることもあります。

また、自治体によっても重視するポイントに違いがあるため、一般的な情報だけでなく自治体独自の点数加減を調べておきましょう。有利になる加点条件があれば、漏れなく申請してください。

特に保育園が足りておらず競争率の高い都市部では、調整指数でいかに加点されるかが、保育園に入れるどうかを左右します。
保育園に確実に入るためには、「基準指数」と「調整指数」の合計点からなる「選考指数」の点数をアップしておく必要があります。

具体的には
・以前、入園が決まっていたにもかかわらず、辞退した経歴があると減点される
・フルタイムで働くとパートタイムより高得点
・職業訓練校などに就学すると、働く意思があるとみなされ、点数がもらえる
・一時預かりやベビーシッターの利用回数も、保育の必要性を感じさせるため点数につながる
などがいわれています。それぞれ証明書などの準備と提出が必要ですので、各自治体の証明方法を調べておきましょう。
実際、保育園に入れなかった場合はニ次募集に応募するなど、途中入園を目指すことになります。どのような準備や方法があるのでしょうか。
認可保育園は、二次募集がかかる場合があります。二次募集は一次募集よりも、狭き門です。通園可能圏内で二次募集があれば積極的に応募し、入園確率を上げましょう。二次募集の際は、交通の便がいい保育園は人気の可能性が高いです。

また、空き状況は、自治体の窓口で教えてくれることもあります。申込者の動向もあわせて検討しましょう。もし4月入園がかなわなかった場合でも、入園枠がいつ空いても良いように、申し込みを継続します。
認可外保育園とは、自治体に認められた認可保育園以外の保育園のことです。認可外保育園は国の基準を満たしていないものの、独自のプログラムを展開しているなど、特色の強い保育園が多くあります。

二次募集と同時に2つほど認可外保育園をピックアップしておきましょう。二次募集にも落ちてしまったら、すぐに問い合わせができるように準備をしておきます。認可外保育園は特色が強いため、子どもに合う保育園を選択することが重要です。

例えば、英語や勉強・音楽・運動などに力を入れている認可外保育園を選んだものの、子どもの性格と合わない可能性もあります。慎重に選択しましょう。

認可外保育園に通うことになっても、ゆくゆくは転園し認可保育園へ通いたい場合は、認可保育園の申請は取り下げないで、途中入園の機会を待つようにします。
子どもが保育園に入れなかったけれど、どうしても仕事に復帰したい方はどうすれば良いのでしょうか。保育園以外で利用できる保育サービスを紹介します。ご自身の働き方や考え方に合わせて、合うサービスを選択しましょう。
自宅にて、主に保護者が不在時に子どもの世話をしてくれるサービスです。実は、対象は赤ちゃんだけに限らず、12歳まで預かってくれます。

ベビーシッターのメリットは、子どもの状況に合わせて、マンツーマンで臨機応変に対応してくれることです。入園前に、親以外の人と過ごす練習にもなります。

また、一定期間以上ベビーシッターを利用している証明として、「受託証明書」を自治体に提出することで、調整指数の加点になることも大きなメリットです。

以前よりは、安価に利用できるようになりましたが、依頼するベビーシッターによって料金の幅が大きいでしょう。ご家庭に合ったベビーシッターを探すことが大切です。
保育ママとは、主に自治体の認定を受けた家庭福祉員の自宅で、定員2~5名程度の保育を行うサービスのことです。対象は主に0~2歳児です。

家庭福祉員の自宅という家庭的な環境で、お友達とも兄弟のように過ごせます。利用したい場合は、保育ママと直接契約か、自治体によっては役所に申し込みます。2歳までの預かりがほとんどのため、3歳児になる前にもう一度保活をして保育園を決めなければなりません。
ファミリーサポートとは、地域で援助をしたい人と援助を受けたい人が会員となり、必要なときに援助を受けられるサービスです。

利用するには、自治体の会員登録が必要です。ファミリーサポートセンターに依頼をすると、子どもの送り迎えや一時的な預かりなどのサポートを受けられます。

保育園のような長時間の預かりは難しいため、保育園の代わりにはなりません。一時的な預かりであれば、ベビーシッターよりもお得になることが多いでしょう。
企業主導型保育園とは、企業が従業員のために設置している保育施設を指します。実は、運営企業に勤めていない地域の家庭の子どもを受け入れる枠があります。

企業主導型保育園は、自治体に確認しても詳しい情報を得られないことも多くあります。自宅の近くにあるか知りたい場合は、保育士の求人サイトから検索する方法もおすすめです。
保育士求人サイトで得た情報をもとに、入園できるかなどを問い合わせてみましょう。
小規模保育とは、認可保育園のひとつです。定員6~19人と少人数保育が特徴で、きめ細やかな保育が期待できます。

対象年齢は0~2歳児までのため、3歳でもう一度保活が必要です。けれど、小規模保育を利用していると調整指数の加点が期待でき、提携園に優先的に転園できる場合もあります。

ただし、小規模保育は認可保育園ですので、申し込みは認可保育園の一次募集のタイミングと同じです。他の認可保育園と一緒に希望園に入れておくことをおすすめします。施設によっては、人気保育園かつ定員も少ないため、二次募集での入園は難しいでしょう。
認定こども園とは、保育園の長時間保育と幼稚園の教育的側面を、どちらも取り入れた保育
施設です。認定こども園は幼稚園のように、両親ともに就労していなくても入園できます。

認定こども園には4つの形式があります。幼稚園教育と保育園機能をバランスよく持ち合わせている「幼保連携型」、幼稚園が認定こども園に転換した「幼稚園型」、保育園が認定こども園に転換した「保育所型」、都市部や駅ナカなどにあり認可外保育施設が認定こども園に転換した「地方裁量型」があります。

設置場所など、自由度が高いため待機児童の解消に大きく貢献するとされています。ご家庭の方針と勤務形態に合う、認定こども園を選びましょう。
4月の入園前提で職場復帰の準備をしていた場合、入園できなかったことを職場に報告する必要があります。今後、どのようなパターンが考えられるのか、相談するべきことを紹介します。
まずは、育休の延長ができるか、職場に相談しましょう。育休は保育園に入れないなどの理由がある場合、最長2年まで取得できる制度です。

育休を延長できる場合でも、職場への手続きが必要になります。一次募集に落ちたタイミングで、まず上司や人事担当者に手続きを確認しておくことが重要です。
職場によっては、勤務形態を変更して職場復帰する方法も検討できます。リモートでの勤務や、時短勤務が可能かどうか職場にかけあってみましょう。正社員ではなく、パートとして働く方法もあります。

子育てと両立できるかどうか、ご自身のこれからの働き方やライフスタイルを見つめ直すことも重要です。
認可保育園に入りたい場合は、「基準指数」と「調整指数」をあわせた「選考指数」の点数を上げる必要があります。選考指数は自治体によって、選考基準が異なるため、しっかりと情報を集めることが保育園に入れる可能性を上げる第一歩です。

保育園に入れなかった場合は、ベビーシッター・保育ママ・認可外保育園・企業主導型保育園・認定こども園なども検討しましょう。

保育園以外のサービスを利用する場合も、保護者の働き方や求めるサービス内容・時間と、実際のサービスが合っているかどうか慎重に検討することが重要です。子どもの成長のためにも、ご自身のためにも納得のいく保育園、保育サービスを申し込みましょう。

特に自治体を通して情報が得にくい認可外保育園や企業主導型保育園の検索は、ホイサクが便利です。自宅近くの保育施設をサクッと検索できます。あわせて、保育園近くの求人も検索できておすすめです。
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