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保育園と幼稚園では学力に差が出る?それぞれの違いを分かりやすく解説

2021.11.03
保育園と幼稚園で学力に差が出るのか、気になる方もいるのではないでしょうか。子どもの将来に関わるため、どちらに通うべきか慎重に考えなければなりません。この記事では、保育園と幼稚園の違いや、学力に差が出るかについて解説します。保育園と幼稚園、どちらに通わせようか悩んでいる方、ぜひ参考にしてください。
一般的に幼稚園の方が教育に熱心なイメージを持つ方も多いでしょう。一方、保育園は両親ともに就労している子どもが通い、長時間過ごすため家庭的な印象です。同じ年齢の子どもが通う保育園と幼稚園ですが、学力に差はつくのでしょうか。
前提として、保育園は保育を必要とする子どもの保育を行う福祉施設であり、幼稚園は小学校入学前の教育を目的とした施設です。保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と管轄も違います。

施設としての前提から、幼稚園は小学校での勉強を想定したプログラムを取り入れていることが多く、保育園は生活や遊びの中で自然と学ぶことを重要視する傾向です。

しかし「幼保一元化」の動きも出始めている近年、教育方針や理念は保育園か幼稚園かにかかわらず、園によって大きく異なります。

例えば、幼稚園でも「自然との触れ合い」や「自由な遊びの中から学ぶこと」を重視する方針を掲げていることもあります。保育園でも、国語・算数・英会話など、机に向かって勉強する時間を設けている園が増えました。

すなわち、幼稚園を選ぶか保育園を選ぶかはあまり重要ではありません。家庭の教育方針や子どもに合う施設を見つけることが大切です。入園前には見学や説明会に参加し、家庭の考え方や子どもに合うかを確認しましょう。
子どもがのびのびと過ごすことや親子の関わり合いが、将来の学力に影響します。
2010年、文部科学省が「幼稚園卒の子どもは保育園卒の子どもよりも成績が高い」という発表をしました。

この結果から、親の所得格差が影響を与えているのではという説があがりましたが、日本・韓国・モンゴル・ベトナムの3〜5歳を追跡研究した結果、しつけスタイルや園でのびのびと育っているかが重要だと分かりました。

この追跡研究では、「共有型しつけ」が必要であると示されています。例えば、一緒に絵本を読んだり何かを作ったりして、親子の触れ合いを重視する家庭の子どもは高得点でした。すなわち、経済的な格差よりも親子での関わり方が重要だと分かります。

また、遊びの時間が長い幼稚園・保育園出身の子どもは言葉の発達が良いことも示されました。

「経済格差は子どもの学力に影響する」の本当の理由【 内田伸子教授インタビュー前半】
保育園に通う場合と幼稚園に通う場合、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。表1を見てみましょう。

子どもを預ける保護者にとって、標準保育時間・休日の違いが最も大きな差です。保育園か幼稚園が迷っている方は、まず保護者の働き方に合うかどうかを必ず確認してください。
2019年10月より幼児教育が無償化されました。幼稚園・保育園・認定こども園に通う3〜5歳の全ての子どもが対象です。

しかし幼稚園には、子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園もあるため注意しましょう。対象とならない幼稚園に通う場合、無償化上限額は月額2万5,700円です。

例外は他にもあり、認可外保育施設(無認可保育園)は、認可保育所に入れない子どもの保育料が無償化の対象とされています。上限額は認可保育所に通った場合にかかる平均保育料の3万7,000円です。

幼児教育無償化といっても、全てが無料ではありません。給食費・入園料・通園バスの利用料・教育プログラムの費用などは、これまで通り自己負担です。自己負担費用は園によって異なるため、慎重に園選びをしましょう。

特に幼稚園の入園料はおよそ10万円〜35万円と高額です。保育園に比べると、幼稚園は家計への影響が大きいでしょう。
保育園も幼稚園も、どちらが良いとはいえません。保護者の働き方やライフスタイル、ご自身の子どもに合うのは、どちらなのかという視点で検討してください。

参考までに保育園と幼稚園の特徴をまとめました。あくまでも傾向ですので、園の教育方針によって異なる場合もあります。
・保育士と一緒に子育てをする雰囲気がある
・異年齢の子どもとの関わりが多い
・身の回りのことなど、生活面の自立が早い
・給食を通して、さまざまな食材に触れられる

0歳から預けられる保育園では、保育士との密なコミュニケーションを通して一緒に子育てができます。ちょっとした疑問や相談でも、気軽に相談できるプロがいるのは心強いです。

3〜5歳児クラスでは、縦割り保育を実施している保育園も多くあります。異年齢の子どもが同じクラスで一緒に過ごすことで「小さな子には優しく」「大きくなったらお兄さん、お姉さんみたいになりたい」という気持ちが自然と育まれます。

小さいときから集団生活をしているため、たくましい子が多い印象です。衣服の着脱や食事なども保育士のきめ細やかな援助を受けながら、早いうちにできるようになります。生活を重視する保育園ならではのメリットです。
・入園先を選べない
・保護者同士の交流・行事が少ない
・子どもと過ごす時間が短い

認可外保育施設(無認可保育園)は保護者が直接契約するため入園先を選べますが、認可保育園は希望する保育園をいくつか選び、自治体に申し込みます。最終的にどの保育園に通うか、保護者が決められません。希望する保育園に入れない場合もあります。

共働き家庭が通うため、親子で参加する行事も必要最低限に設定されていることが多いでしょう。お迎え時間も家庭によって違うため、保護者同士の交流は少ないです。
・行事など保護者同士の交流が多い
・ママ友ができやすい
・教育的な取り組みや施設が充実している
・入園先を選べる

共働きを前提としない幼稚園の保護者は時間に余裕がある方が多く、行事以外にもランチ会など、幼稚園外の交流も多いでしょう。

園によって方針の違いはありますが、教育機関として小学校を前提とした勉強の取り組みなどが充実しています。みんなで座って先生の話を聞く力が身に付くことで、小学校入学時に子どもは心理的な差を感じにくいでしょう。

入園先も家庭で決められるため、子どもに合う園が見つかれば安心して通わせられます。
・費用が高い
・長時間勤務は難しい

保育料はどの家庭も一律ですが、高額な入園金などもあるため保育園に比べると高額です。長時間の保育をお願いする場合は、別途費用を支払う必要があります。両親ともに長時間勤務の家庭は、他の育児支援サービスなどを利用しなければ通わせるのが難しいでしょう。
幼稚園の保育時間は基本的に4時間程度ですが、世間のニーズに対応して標準の保育時間以外にも有料の預かり保育を実施する幼稚園が増えています。そのため、0〜2歳児の間は保育園に通わせ、3歳児からあえて幼稚園に転園させることも可能です。

転園したい場合は、必ず預かり保育の時間をしっかり確認しましょう。通常は18時まで預かってくれる幼稚園でも、夏休みなどの長期休みは対応していないこともあります。幼稚園は共働きの家庭を対象にした運営形態ではないことを理解して、転園を検討しましょう。

どうしても幼稚園に通わせたい場合は、ベビーシッターやファミリーサポートなど他の育児支援サービスを利用する方法もあります。また、自宅近くに気軽に頼れる祖父母や親戚・友人がいる場合は、共働きでも幼稚園に通うことも検討できます。
保育園と幼稚園はどちらも幼児期の子どもに大きな影響を与える場所です。けれど、子どもにとって、どちらが将来的に良いということはありません。

子どもに合う保育園・幼稚園でのびのびと過ごすことが大切です。また、保護者の働き方や家計に合う施設を選ぶことで、保護者にも余裕が生まれます。通園時間も保護者にとっては重要です。自宅から通園可能な圏内にどのような保育園があるか、よく調べておきましょう。

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