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保育園でのお昼寝|年齢別の時間の目安とメリット・デメリットを解説

2021.12.22
多くの保育園で「お昼寝」が実施されています。0〜2歳児クラスだけでなく、幼稚園と同じ年齢である3〜5歳児クラスでも同様です。

この記事では、お昼寝の必要性や時間の目安など基礎知識を解説します。保育園に通う子どもの生活リズムを整えるために参考にしてください。
保育園での「お昼寝」は「午睡」ともいわれています。多くの保育園で実施されていますが、なぜ必要なのかご存じですか?詳しく解説します。
保育園でのお昼寝は、保育園運営の基本である保育所保育指針に基づき始まった活動です。
保育所保育指針には「午睡は生活のリズムを構成する重要な要素」、保育所保育指針解説にも「適度な休息や午睡」という記載があります。

指針をもとに、一人ひとりの生活リズムにあった適度な休息を確保するため、これまで多くの保育園でお昼寝の時間が確保されてきました。

保育所保育指針解説 | 厚生労働省
実際にお昼寝は、多くの保育園で行われています。ただし、必ず実施されているわけではありません。子どもの発達や状態などにあわせて行われています。

例えば、0歳児クラスはお昼寝だけでなく、午前中や夕方にも睡眠が必要です。5歳児クラスは小学校での生活を見越し、お昼寝の時間を短くしたり、なくしたりします。
お昼寝が注目されるきっかけのひとつに、江戸川大学睡眠研究所の福田一彦氏による子どもの睡眠に関する提言があります。お昼寝が夜間の睡眠に影響する可能性がある、という提言内容は保育園や保護者の関心を高めました。

夜の寝かしつけは保護者を悩ませることのひとつです。これまで良いものとされてきたお昼寝の扱われ方にも変化が起きています。
お昼寝は体力の回復だけでなく、精神におけるストレスの解消にも重要です。お昼寝は夜間の睡眠よりも、情緒面に働きかけます。詳しく解説します。
保育園に通う子どもは長い時間を保育園で過ごします。小さいうちはお昼寝をしないと、午後まで体力がもたないでしょう。

お昼寝は体の休息だけでなく、精神的な安定にもつながります。適切な休息を取ることで、イライラやストレスを軽減させます。また、毎日同じ時間にお昼寝を実施することで、正しい生活リズムの調整を促します。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることをご存じですか。レム睡眠は情緒面の回復に役立ち、ノンレム睡眠は体力面の回復に役立ちます。

お昼寝は夜間の睡眠に比べるとレム睡眠が多いため、情緒の安定に大きな影響を及ぼしています。レム睡眠の情緒面に働きかける性質が、お昼寝の意義として注目すべきポイントのひとつです。
保育園でお昼寝をすると子どもにどのような影響があるのでしょうか。メリットとデメリットに分けて解説します。
午前中の疲れを取り、集中力や注意力を高めます。昼食後にお昼寝をすることで、午後の活動も、リフレッシュした状態で取り組めます。眠い状態では、注意力や集中力が散漫になり危険です。適度なお昼寝が事故を防ぐことに役立ちます。

保育士にとっては、お昼寝中は貴重な事務作業時間です。各家庭の連絡帳記入、製作の準備など、子どもと保護者のための準備に必要な時間です。
必要以上にお昼寝をすると、早寝早起きに影響する可能性もあります。成長とともに、子どもが必要とするお昼寝の時間は短くなります。必要なお昼寝の時間は個人差も大きいです。

保育園では基本的にお昼寝の時間が決められているため、必要以上に寝てしまう可能性もあります。小学校へ入学すると、もちろんお昼寝はありません。小学校入学直前までお昼寝をしていると、小学校生活に向けての生活リズムを身に付けられないデメリットがあります。
お昼寝の実態は年齢によって異なります。必要なお昼寝時間の目安を解説します。お昼寝がどれくらいの時間が必要かは、個人差が大きいです。子どもの様子をよく観察して見極めましょう。
0歳児は同じ年齢でも、月齢ごとに発達が大きく異なります。3〜4カ月児は午前、午後に分けて各2時間程度お昼寝を実施します。成長するにつれて、午後の一回寝のみに移行するケースが多いです。0歳児の理想的なお昼寝の時間は、2〜4時間を目安としましょう。
ほとんどの子どもが、お昼寝は午後の一回寝で過ごせるようになります。1〜3時間程度の睡眠が一般的です。子どもの体力や発達、生活習慣、午前中の活動量などによって、必要なお昼寝の時間は大きく異なるため、必要に応じて実施されます。
少しずつ、お昼寝を必要としない子が出てきます。眠くない場合は無理に寝かす必要はありません。布団に横になって体を休めるだけにする園やお昼寝を行わない園もあります。

お昼寝を行わないことで、夕食前に眠たそうにしている場合は、まだお昼寝が必要です。お昼寝を行う場合には1時間程度が目安です。
お昼寝がなくても無理なく午後の活動を行える子が多くなります。お昼寝を行わない園もあるでしょう。行う場合には午後1時〜3時ごろに、子どもの様子や必要に応じて実施します。

お昼寝を実施している園でも、5歳児は小学校入学へ向けて、秋ごろから午睡をなくしていくことが多いです。
子どもが保育園で使う寝具や環境に関して気になる方もいるでしょう。保育園でのお昼寝に使う寝具は各家庭で用意するのがほとんどです。家庭で慣れ親しんだ寝具や香りが子どもを安心させます。タオルケットや大判のバスタオルを用意するケースが多いでしょう。
保育園で、子どもがしっかりと寝られるかどうか心配な方も多くいます。保育園で実際に行われている寝かしつけのコツを紹介します。ご家庭でも実践できるものも多いでしょう。以下を参考に、保育園でのお昼寝を想像してみてください。
寝る環境をいつもと同じにすることで、子どもは安心し、自然と入眠できます。例えば、寝る場所、室温や湿度、部屋の明るさを一定にするなどです。詳しく解説します。
環境が変わると子どもが落ち着かないため、いつも同じ場所で寝るようにします。特に安心して寝られるようになるまでは、同じ室内でも同じ場所に布団を敷きます。

実は、布団の並びは子どもの特性にも配慮されていることが多いです。長い時間、お昼寝を必要とする子は人の出入りが少ない部屋の奥に配置したり、子ども同士で遊んでしまう場合は距離を離したりします。
エアコンは外気温によって調整されます。室温28℃、湿度60%が目安です。夏は湿度が高くなりやすいことに配慮して、冬は反対に乾燥しないように加湿器を使用している園が多いでしょう。

特にお昼寝中は子どもの体温が高くなりやすいため、汗をかいていないか注意深く見守られます。
適度に室内の照明を暗くすることでお昼寝を促します。カーテンの開閉で明るさを調整する園も多いです。お昼寝中も子どもの表情が良く見えるように、室内は暗くし過ぎない園が多いでしょう。ご家庭でも、お昼寝は真っ暗にしないようにするのがおすすめです。
保育士の寝かしつけテクニックに、子どもに触れて入眠を促すものがあります。例えば、以下のようなテクニックです。

・一定のテンポで背中や胸をトントン
・眉間をさする
・添い寝や抱っこ
・足や手を握るようにマッサージ

子どもに適度に触れることで、安心感を与えて、入眠を促します。
お昼寝に適した音楽を流すことでリラックスさせます。オルゴールなど、スローテンポで高音の音楽がおすすめです。いつも同じ音楽を流すことで、お昼寝モードに促せます。
入園当初や成長とともに体力がついてくると、なかなかお昼寝ができない子もいます。紹介したようなテクニックを実践しても寝ない場合、保育園と保護者で生活リズムなどの情報交換を行うことが重要です。

家庭での生活リズムによっては、無理にお昼寝をする必要はありません。3歳以上の場合も、活動が問題なく行えるのであれば無理に寝なくても良いでしょう。
お昼寝は子どもが動いているわけではないので、家庭でも目を離してしまいがちです。けれど、睡眠時だからこそ気を付けなければならないことがあります。
子どものうつぶせ寝は大変危険です。うつぶせ寝は窒息、乳幼児突然死症候群(SIDS)発症の危険性を高めます。保育園では寝ている子どもに目を配り、うつぶせ寝は仰向けにするなどの配慮が行われます。

うつぶせ寝がくせになっている場合、家庭でも仰向けで寝るようにお願いされることもあります。
保育園では、自治体や内閣府のガイドラインに準じた見守りが行われています。例えば、一定の間隔での「午睡チェック」の実施などです。入眠後も5〜10分ごとに、呼吸や姿勢のチェックをします。

一定間隔でのチェックだけでなく、寝具と周辺状況にも細心の注意が払われます。特に寝具は窒息を防ぐため、柔らかすぎないものを使用します。まくらやぬいぐるみなども置かないようにする園が多いです。

口の中に食べものや玩具が入っていないか、しっかり確認することも重要です。家庭でのお昼寝でも同様に注意しておきましょう。


教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン

認可外保育施設の立入調査について|東京都福祉保健局
保育園でのお昼寝について、イメージができたでしょうか。保育園によって、実施年齢や意向は異なりますので、気になる方は見学時など、入園前に確認してください。入園当初のお昼寝でつまずかないために、家庭でも保育園と似た環境で寝る練習をしておきましょう。

特にうつぶせではなく、仰向けで寝るくせをつけておくと安心です。お昼寝を含め、正しく整った生活リズムで過ごすことが、子どもにとって重要です。無理のない生活リズムで過ごすためにも、自宅近くの保育園を探せてみてはいかがでしょうか。

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