保育園

企業主導型保育園とはどんな保育園?特徴/魅力/事業所内保育所との違い

2020.02.06
企業主導型保育園は、企業が作る保育園です。多くのメリットがある保育園でもあります。そこで、本記事では企業主導型保育園とはどんな保育園なのか、どんな魅力があるのかを詳しくご紹介していきます。あわせて事業所内保育所や、とちょう保育園との違いも確認してみましょう。
企業主導型保育園とは? 企業主導型保育園の特徴 ①認可保育園なみの補助金が得られる ②親のさまざまなニーズや働き方への対応 ③複数企業の共同保育が可能である ④地域の子供も受け入れできる ⑤自治体の認定不要で契約できる 企業主導型保育園の条件 企業主導型保育園の魅力とは? 企業主導型保育園の利用者の魅力 ①自分の働き方に合わせて利用できる ②子どもといられる時間が増える ③認可保育園とそれほど変わらない保育料 ④待機児童にとっては救世主的存在 ⑤様々な基準が設けられているため安心して預けられる 企業主導型保育園の企業側の魅力 ①従業員の働き方に対応できる ②離職率低下 ③地域貢献ができる ④リスクが減る 企業主導型保育園の保育士の魅力 ①子どもと深く関わることができる ②保護者と連絡が取りやすい ③スキルアップができる ④長期的に勤められる ⑤子育てに理解あり 企業主導型保育園のデメリットはある? 企業主導型保育園と事業所内保育所の違い 企業主導型保育園の違いは7つ ①認可事業かどうかの違い ②親のニーズへの対応 ③複数企業の共同保育が可能 ④助成金制度の違い ⑤保育士の配置基準 ⑥地域枠の設置 ⑦預かれる子どもの年齢 企業主導型保育園と事業所内保育所の類似点 企業主導型保育園と「とちょう保育園」との違い まとめ
企業主導型保育園とは、簡単に説明するとその名の通り企業が作る保育園のことを指します。企業が従業員の働き方に合った保育サービスを提供するために作る保育施設の他、いくつかの企業が共同で保育施設を作ることも可能です。企業の従業員の子どもを預かるだけではなく、地域に住む子どもを預かることもできる保育園でもあります。
企業主導型保育園をいくつかある保育園の種類にあてはめると、認可外保育園に位置するでしょう。しかし、保育園が受けることができる助成は認可保育園と同等です。つまり企業主導型保育園には保育を提供する側にも、保育を受ける側にもメリットがたくさんある保育園ということです。メリットについては、のちほど詳しくご紹介していきますのでご確認ください。
また、2019年10月から開始された幼児教育・保育の無償化は、企業主導型保育園にも適応されます。
企業主導型保育園には、いくつかの特徴があげられます。他の保育園とは違う特徴が多く存在しています。ここでは5つの特徴に注目してご紹介しますので、チェックしてください。
企業主導型保育園は、認可保育園なみの補助金を受けることが可能です。認可保育園の場合は国が定めた基準をクリアする必要があるうえ、自治体に申請する必要があります。
しかし企業主導型保育園の場合は、自治体に申請する必要はありません。もちろん補助金を受け取るには様々な条件をクリアする必要はありますが、自治体に申請する作業をカットでき、なおかつ認可保育園なみの補助金を受け取ることができるのは、企業側のメリットといえるでしょう。
また企業主導型保育園の補助金を受け取るには、以下3点のいずれかに当てはまる必要があります。

1. 一般事業主が企業主導型保育事業を実施する場合
2. 保育事業者が開園した認可外保育施設を一般事業主が活用する場合
3. 既存の事業内保育施設の空き定員を設置者以外の一般事業主が活用する場合

さらに利用できる子ども、職員の配置基準、設備の基準などが細かく定められています。これらの要件を満たすことで、企業主導型保育事業の助成金を受け取れることになります。
補助の内容について整備費は施設整備に必要な費用の4分の3相当の金額、運営費は企業の自己負担相当および利用者負担相当を除く部分です。
企業主導型保育園は企業が作る保育園のため、従業員のニーズにあった保育を提供することが可能です。例えば夜間に働く従業員がいる場合は、夜間にも対応している保育園を作ることもできるでしょう。さらに土日に出社する必要がある場合には、土日でも子どもを預かる保育園を作ることも可能です。
またフルタイム勤務でない場合でも企業主導型保育園なら子どもを預けることが可能です。待機児童が多い地域に住んでいる場合、フルタイム勤務でないと保育園に入園するために必要な指数が足りず、認可保育園に入園できないことがあります。しかし企業主導型保育園の場合は、1日4時間などの短時間勤務、週3・4回の勤務などでも柔軟に対応することができるのです。
このように企業主導型保育園は、自治体のチェックが入る認可保育園などができないサービスを提供することができます。あわせて、病児保育や一時預かりをすることも可能です。
ひとつの企業が保育園を作るだけでなく、複数の企業が集まって共同で保育園を作ることも可能です。ひとつの企業に属する従業員だけでなく、複数企業の従業員の子どもを預かる保育園を作ることができるということです。共同で保育園を作ることができるのは、保育園を運営していくうえでのリスクを減らすことできるメリットもあります。
複数の企業が共同で保育園を作り、それぞれの従業員の子どもを預かることができると紹介しましたが、企業に所属している社員の子どものみが入園できるということではありません。保育園を作った地域の子どもを受け入れることも可能です。つまり、従業員の子どもだけで定員が埋まらなかった場合でも、地域の子どもを受け入れ定員を埋めることができるということです。
また待機児童が多い地域に企業主導型保育園ができた場合、認可保育園などに入園できなかった家庭から喜ばれますし、すぐに枠が埋まることも考えられます。さらに企業主導型保育園を作った企業は、企業のイメージアップが図れるメリットもあるでしょう。
企業主導型保育園は、保育園と利用者の直接契約です。自治体などを通す必要がありません。
認可保育園に入園するためには、自治体が定めている条件を満たし指数の合計が高い人から入園することが可能となります。つまり保育の必要性が低いと判断されてしまった場合、認可保育園に入園することができません。
待機児童問題が深刻化している地域に住んでいる場合、子どもを保育園に預けることができなくて困っている方もたくさんいることでしょう。しかし企業主導型保育園の場合、就労条件などを満たせば自治体を通すことなく保育園に通わせることができます。これは保育園に入園させたい家庭、さらには自治体から保育の必要性が低いと判断されてしまった家庭にとってはメリットといえるでしょう。
企業主導型保育園の条件として、以下の3つの中のどれかに当てはまる必要があります。

1. 一般事業主が企業主導型保育事業を実施する場合
2. 保育事業者が開園した認可外保育施設を一般事業主が活用する場合
3. 既存の事業内保育施設の空き定員を設置者以外の一般事業主が活用する場合

また保育士をはじめとする職員配置の基準としては、0歳児3人に対して1人以上、1、2歳児6人に対して1人以上、3歳児は20人に対して1人以上、4、5歳児は30人に対して1人以上、そしてこれらの区分に応じた職員の合計に1をプラスした人数以上の保育者を配置する必要があります。
さらに職員の半数以上は保育士の資格が必要ですし、それ以外の職員も自治体などが行なう研修を受けなくてはいけません。この他にも保育施設の広さや屋外施設、給食などにもそれぞれ基準が設けられています。これらの条件を満たすことで、企業主導型保育園を設置することができます。また入園するための条件はそれぞれの保育園で異なります。住んでいる地域に企業主導型保育園ができる場合は、地域に開放する枠や入園条件をしっかりと確認しましょう。
ここからは、企業主導型保育園の魅力についてご紹介していきます。企業主導型保育園を作り運営していく側にも、子どもを預ける利用者側にもメリットがあります。子どもを預ける利用者側、保育園を作る企業側さらには企業主導型保育園に勤める保育士にとっての魅力をそれぞれに分けてご紹介していきますので、確認してみましょう。
まず企業主導型保育園を利用する側の魅力をご紹介します。企業主導型保育園は利用者にとってメリットがたくさんあります。ここでは5つの魅力に注目してご紹介しますので一つずつ確認してください。
利用者側は自分の働き方に合わせて子どもを預けることができる点が、一番の魅力に感じるのではないでしょうか。例えば夜間に仕事をする人、土日も仕事に出かけなくてはいけない人にとって、子どもを受け入れてくれる保育園を探すのは大変な作業でしょう。しかし企業側が企業主導型保育園を運営していくことで、自分の就労スタイルに合わせて子どもを預けることが可能になりますね。
所属する企業が保育園を作った場合、多くの場合が職場の近くに保育園ができるでしょう。そのため子どもを預けたらすぐに職場に行ける、仕事が終わったらすぐに子どもを迎えに行けるメリットがあります。子どもが発熱してしまい迎えにいかなければならない状況になった場合にも、職場と保育園が近いことは安心要素になるはずです。
さらに通園時間が短く済むということは、子どもといる時間を長く確保できることに繋がりますよね。わざわざ自宅や職場から遠くの保育園まで通う必要がなくなるのは便利ですし、時間も有効的に使えるようになるでしょう。
企業主導型保育園は保育園と利用者が直接契約することになりますが、多くの場合、認可保育園とそれほど変わらない料金で利用することができるでしょう。これは企業主導型保育園も認可保育園と同じくらいの補助金を受け取れることと関係しています。保育園によって保育料は異なるため、それぞれ確認する必要がありますのでご注意ください。
家庭の状況によって認可保育園に入園することが難しい場合でも、企業主導型保育園であれば入園できる可能性があります。自治体から保育の必要性が低いと判断され、待機児童となってしまった家庭にとっては、企業主導型保育園は救世主的存在になるでしょう。
しかし、注意点もあります。企業主導型保育園は自治体のチェックが入らないため、保育園によって質に差が出ることが考えられます。通ってみなければわからないこともありますが、事前に見学するなどし、十分確認したうえで入園の申し込みをした方がいいでしょう。
企業主導型保育園も他の保育園同様、様々な基準が設けられています。基準をクリアして保育園を運営しているわけなので、安心して子どもを預けることができるはずです。さらに、自分が勤めている企業が運営しているとなると、より安心して預けられるのではないでしょうか。
こちらでは企業主導型保育園を作り運営していくことで、企業側が得られるメリットをご紹介していきます。以下5つのメリットをご紹介していきますので、確認してみましょう。
企業によっては、認可保育園など他の保育園が開園している時間帯だけでは仕事が完結しないこともあるでしょう。夜間や日曜日に仕事をする従業員がいる企業も多いはずです。その従業員の働き方に対応する保育園を作れるメリットがあります。そうすることで結婚や妊娠、出産を機に退職せざるを得なかった人材の流出を防ぐことが可能になります。
従業員の働き方に対応した保育園を作ることで、出産を機に仕事を辞める人が減ることが予想されますよね。つまり離職率を低下させることができます。パパやママに優しい企業、女性でも働きやすい企業として広まれば離職する人を少なくできることでしょう。さらに企業としてのイメージがアップすることで、離職率を低下させるだけでなく、新たな人材を確保しやすくなるメリットも得ることができます。
企業に所属する人だけでなく地域の子どもたちを受け入れれば、地域貢献ができるでしょう。待機児童問題が深刻化している今、保育園の数は足りていません。そんな時に企業主導型保育園を作ることで地域の子どもを受け入れ、地域の待機児童問題を少しでも解決していくためのお手伝いができます。さらに地域貢献をしながら、企業のイメージアップも期待できます。
企業主導型保育園は複数の企業が共同で作り、運営していくことができます。つまり単独で保育園を作るよりも、リスクを減らすことができます。従業員の離職率に悩んでいる、従業員の働き方に合わせた保育園に魅力を感じるという企業が周辺にある場合は、共同で企業主導型保育園を作るのもアリです。共同で作ることで、定員割れを防ぐことができるはずです。
企業主導型保育園で働く保育士にとっての魅力について以下5点で解説します。また企業主導型保育園にどんなことが期待できるのかも、あわせてみていきましょう。
企業主導型保育園は定員が少なく設定されていることが多いため、子どもと深く関わることができます。預かる子ども一人一人とじっくり関わることができるため、保育士という仕事のやりがいをより感じられるかもしれません。保育士として子どもと深く関わり、仕事を充実させていきたいと考えている場合は、企業主導型保育園を就職先に検討してみてもいいでしょう。
企業主導型保育園の場合、企業に勤めている方の子どもを預かることが多いため、急な発熱などの際に保護者と連絡が取りやすいメリットがあります。具合が悪い子どもがいる中でなかなか保護者と連絡が取れない状況が続くと、保育士も焦ってしまいますよね。
しかし企業主導型保育園の場合は保護者と連絡が取りやすいため、焦る状況が少なくて済むことが予想できるでしょう。
企業主導型保育園は保育士の研修制度が充実している場合が多いため、スキルアップに繋がります。保育士としてスキルが上がれば、この先長く保育士として活躍していけるでしょう。
大手が運営する企業主導型保育園に勤めれば、経営が安定しているため長く保育士として勤めることができるでしょう。あわせて、福利厚生など待遇面に期待ができるのも魅力です。保育士として長期的に勤めていきたいと考えている場合、企業主導型保育園で働くことを検討してみてもいいかもしれません。
企業主導型保育園の場合、子育てをしている方への理解がある場合が多いため、子どもを育てながらも保育士として仕事を続けていくことができるでしょう。長期的に保育士として勤められるメリットにも繋がっていきますね。
企業主導型保育園のメリットをご紹介してきましたがメリットがある分、いくつかのデメリットが存在しているのも事実です。企業側のデメリットでいえば、認可施設でないことから、保育園の運営に関することをすべて負担しなくてはいけないことがあげられます。
しかし、これは企業主導型保育事業に力を注いでいるコンサルティング会社を利用することで、負担を軽くすることが可能です。企業主導型保育園の運営を得意とするコンサルティングも数多くあるため、自分たちだけで運営を続けていくのが難しいと感じる場合や不安がある場合は、コンサルティング会社に依頼しサポートしてもらいましょう。
利用する側のデメリットは、それぞれの保育園で差が大きいということでしょう。自治体が管理しているわけではないため、保育園によって質に差がでてしまうのは否めません。また、企業主導型保育園は小規模なことが多いため、園庭がない施設が多いです。しかしこれも近くに園児と行ける公園があればカバーできるでしょう。
保育士にとってのデメリットは、無資格の職員が保育補助として配置されることが多いため、保育士の負担が増えることが考えられます。とはいえ、企業主導型保育園のメリットがたくさんあったことに対して、デメリットの数が少ないうえデメリットをカバーできる方法もあります。神経質になる必要はないでしょう。
企業主導型保育園についてご紹介してきましたが、「事業所内保育所の違いとは一体なんだろう?」と疑問に浮かぶ方もいるでしょう。事業所内保育所とは、企業が従業員の子どもを預かる、さらには自治体の認可を受け地域の子どもを預かる施設を指します。
このように説明すると、一見同じ保育園なのではないかと思いがちです。しかし「企業主導型保育園」と「事業所内保育所」は全く違う事業です。そこで、「企業主導型保育園」と「事業所内保育所」の違いを詳しくご紹介していきます。
企業主導型保育園と事業所内保育所の違いは、大きくあげると7つあります。

1. 認可事業か
2. 利用者のニーズの対応
3. 複数の企業での共同保育が可能
4. 助成金制度
5. 保育士の配置基準
6. 地域枠の設定
7. 年齢

もちろんこの他にもいくつかの違いがありますが、ここであげた7つの違いに注目してご紹介していきます。
企業主導型保育園と事業所内保育所の一番の違いは、認可事業かどうかです。企業主導型保育園は、認可外保育園に分類されると説明しました。契約も保育園と利用者が直接契約します。それに対し事業所内保育所は認可保育園に分類されます。つまり、自治体の認可を受けて運営している保育園です。そのため利用者の保育の必要性などは、自治体がチェックします。
企業主導型保育園は自治体に認可を受けることなく運営することができ、事業所内保育所は自治体に認可を受けて運営する保育園というのが、一番大きな違いでしょう。
事業所内保育所は自治体に認可を受けて運営します。しかし、企業主導型保育園は自治体に認可を受ける必要がないうえ、夜間や土日など認可保育園が開園していない時間でも子どもを預かることが可能です。つまり、利用者の多様な働きに柔軟に対応することが可能な保育園ということです。これは企業主導型保育園のメリットと言えます。
利用者が求めていることにすぐに対応できる可能性を持っている点も、企業主導型保育園の魅力でしょう。
企業主導型保育園はひとつの企業が運営するのではなく、複数の企業が集まって保育園を作り、運営していくことが可能です。そのため、保育園運営のリスクを減らすことができます。これも、企業主導型保育園と事業所内保育所の違いのひとつです。
企業主導型保育園と事業所内保育所は、助成金の制度も違います。例えば設置費について説明すると、企業主導型保育園は施設整備に必要な費用の4分の3が助成され、事業所内保育所は大企業の場合全体の3分の1、中小企業の場合全体の3分の2と定められています。
運営費では、企業主導型保育園は最大で全体運営の95%、事業所内保育所は大企業の場合職員1人当たり年額34万、中小企業の場合職員1人当たり年額45万です。このように助成金の額にも差がありますし、さらには申請する管轄も異なります。
企業主導型保育園は公益財団法人児童育成協会に申請し、事業所内保育所は都道府県労働局に申請します。助成金制度にもこのような違いがあるのです。また企業主導型保育園の申請は電子申請で行ないます。もちろん電子申請以外で様々な書類を提出する必要もありますのでご注意ください。
保育士の配置基準は基本的には大きく変わりませんが、企業主導型保育園の場合、保育園の定員数に関わらず半分以上の職員が保育士であれば良いと定められています。事業所内保育所の場合は、定員19名以下の保育園であれば、規定の人数プラス1人以上の保育士を配置する必要があります。
企業主導型保育園も事業所内保育所も企業の従業員の子どもを預かるだけでなく、地域の子どもを受け入れることができます。しかし地域枠の設置に違いがあります。企業主導型保育園は、定員の半分までの範囲で地域枠の設置が可能となっています。つまり、定員全てを従業員の子どもの受け入れにすることも可能ですし、従業員の子どもだけで埋まらなかった分を地域枠として開放することも可能となります。
一方で事業所内保育所は地域型保育事業の一環であるため、保育所の定員の4分の1程度は地域枠として開放する義務があります。そのため、企業の従業員と地域と必ずシェアしなければいけません。つまり企業の従業員の子どもだけを預かる保育園を開園したい場合は、事業所内保育所ではなく企業主導型保育園を作る必要があるというわけです。
企業主導型保育園は年齢に制限がありません。つまり3歳以上の子どもを預かることも可能です。もちろん届出は必要となりますが、3歳以上の子どもを受け入れている保育園も数多くあります。
しかし、事業所内保育所は待機児童問題を解消するために運営する意味も持つため、対象年齢は0歳から2歳と決められています。そのため、3歳以上の子どもを連携園に入園できる仕組みをつくることが課題となっています。このように、保育園で預かることができる子どもの年齢にも違いがあるのです。
企業主導型保育園と事業所内保育所の違いを7つご紹介してきましたが、逆に類似点もあります。企業主導型保育園は認可外保育園に分類されますが、施設に必要な面積や設置・運営基準に関しては、認可保育園に分類される事業所内保育所に準じています。
そのため、企業主導型保育園と事業所内保育所に、面積や運営基準などそれほど大きな差はありません。また特に指定がないことについては、認可外保育施設の基準に準じます。
最後に紹介したいのが「とちょう保育園」です。東京都庁内にできた「とちょう保育園」が話題になりましたが、企業主導型保育園との違いはあるのか確認してみたいと思います。まず「とちょう保育園」について紹介します。
「とちょう保育園」は、待機児童問題の解消を進めていくためのシンボル的な取り組みとして設置された保育園です。「とちょう保育園」は、新宿区の認可を受けている事業所内保育所です。都議会議事堂1階南側に設置されており、受け入れ定員は48名です。年齢別の内訳は、0歳児12名、1歳児18名、2歳児18名の受け入れをしています。受け入れの割合は従業員枠が半分の24名、地域枠が24名となっています。
延長保育の時間も含めると月曜日~金曜日の7時から22時まで開園しており、働く保護者の強い味方となっている点も特徴でしょう。(土日・祝日はお休み)さらに早朝から利用する親子に有料で朝食の提供があったり、有料でオムツの提供、有料での衣服の洗濯サービスなどもあり、他の保育園とは違うサービスが豊富な点も魅力です。
そのうえ登園後の体調不良にも対応してもらえ、事前登録をすれば有料での一時保育もしています。育児支援事業として、地域に住んでいる保護者と子どもとの交流を深める行事を定期的に開催している点も「とちょう保育園」の特徴にあげられます。
ここまで紹介してきたことが、「とちょう保育園」の詳細です。すぐにお分かりいただけたであろう違いは、「とちょう保育園」は事業所内保育所ということでしょう。ここが、まず企業主導型保育園と違います。事業所内保育所のため、「とちょう保育園」は新宿区に住んでいて新宿区から利用決定を受けた方、さらには事業団から利用決定を受けた従業員が利用できる保育園です。
地域枠で「とちょう保育園」を利用したい場合は、保育園に問い合わせるのではなく、新宿区の子ども家庭部保育課入園・認定係に問い合わせる必要があります。また一時預かりの利用は新宿区に住んでいることが条件ではありません。新宿区に住んでいなくても「とちょう保育園」を利用することが可能です。
しかし、「とちょう保育園」は企業主導型保育園と似ている部分も持っています。働く親のことを考え様々なサービスを提供している点、開園時間が長い点などが企業主導型保育園と似ているといえるでしょう。「とちょう保育園」は随時見学を受け付けています。気になる方は見学の申し込みをし、どんな保育園なのか実際に見てみるのもいいでしょう。
企業主導型保育園とはどのような保育園なのか、どのような魅力があるのかをご紹介してきました。さらには、事業所内保育所やとちょう保育園との違いはどんな点があるのかもご理解いただけたのではないでしょうか。
企業主導型保育園には、企業側にも、利用する側にも多くのメリットがあります。運営をしていくにはコンサルティング会社のサポートを受けるなどし、より多くのメリットを得られるようにしましょう。また事業所内保育所との違いをよく理解し、開園、運営していくことが大切です。ぜひ、利用者が満足する企業主導型保育園を開園してください。
←ブログ一覧に戻る