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【保育士試験】独学で合格する勉強法は?筆記・実技ごとに解説

2020.02.26
保育士として働くためには保育士試験に合格しなければなりません。保育士試験は難関資格とされるため、短大や専門学校で勉強し取得したという方が多い中、独学で難関を突破する方もいます。今回は保育士試験を独学で合格するための勉強方法について、ご紹介していきます。
保育士として働くための資格試験である保育士試験は、合格率が20%程度に満たない難関資格です。それでも、異業種からの転向やキャリアアップのためにと保育士試験を独学で突破する人は少なくありません。

厚生労働省の調べによると、難易度は近年以下のような推移になっています。

平成27年度 22.8%
平成28年度 25.8%
平成29年度 21.6%
平成30年度 21.6%

このように難易度が高い保育士試験ですが、難易度が高い要因として以下の2点があります。

・9科目のすべてに合格する必要がある
・すべての教科で60点以上が合格ライン

また保育制度や税金などの政策が変更するたびに保育に関する規制も改正され、内容が更新される科目の勉強には注意が必要となります。これらのことをクリアして、保育士試験に合格することができるのです。
保育士試験は合格率が低いものの、1度合格した科目は3年間有効とされ、再受験する必要がありません。また年に2回、筆記試験が実施されるので受験しやすいというメリットもあります。1度受験してクリアできなかったとしても有効期限があり、年に2回試験があるので再チャレンジもしやすい仕組みになっています。

つまり、勉強すべきポイントを押さえやすく独学でも確実に取得しやすい資格と言えるのではないでしょうか。次項より独学での勉強方法とともにそれぞれのメリット、デメリットについてまとめましたので、参考にしてください。
大手予備校や通信資格講座などでは保育士試験の講座も行っています。通信教材やインターネットを使い、保育士試験に合格するためにポイントを絞った教材提供やテクニックを教えてくれます。
通信講座のメリットは、勉強面のサポートがとにかく手厚いことです。講座に使うテキストは保育士試験に合格するために試験を研究し尽くして作られています。また、通信講座は自分で勉強するだけではなく答案をやり取りしフィードバックを受けることができます。自分のペースで勉強を進めることができるのもメリットの1つでしょう。

デメリットとして、市販の参考書を購入するよりもサポートなどがあることで、費用はそれなりにかかることがあげられます。
インターネットは色々な資料や無料対策講座を見ることができます。独学で保育士試験を一発合格した人のブログなどを見るのも参考になるでしょう。
メリットとしてYouTubeには、保育士試験対策の動画をアップしているチャンネルもあります。動画コンテンツを利用して、内容をざっくりと確認できます。実技である音楽の言語表現対策にもぴったりなので、独学で保育士試験にチャレンジする方はチェックしておきましょう。

また、独学で保育士試験に合格した方の体験などを読んだり聞いたりすると励みになります。デメリットとして、インターネットや無料ツールはあくまでも、補助教材としての要素が強く、塾や通信講座のようなサポートがあるわけではありません。参考程度にしておくほうがよいでしょう。
保育士試験では、「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つの分野の中から2つを選択する実技試験があり、これら3つの中から2つの課題を選び、合格する必要があります。そのためには専門家や合格した人から教えてもらう方法もあります。
合格者や専門家から教えてもらえば、実践した内容やポイントを直に知ることができるのがメリットでしょう。しかし教えてくれる人の時間に合わせなければならない、ピアノ教室や絵画教室などはお金がかかるというデメリットもあります。
完全に独学で保育士試験にチャレンジする人も少なくありません。独学で勉強するためには試験の過去問を解く、テキストをとにかく覚えるなど地道な努力が必要とされるでしょう。
独学で保育士試験にチャレンジするメリットは、費用を抑えられることや自分のペースで勉強を進めることができることです。ただし自分ひとりで勉強するとなると、モチベーションの維持が難しいのがデメリットでしょう。
ここからは独学で保育士試験に合格するための勉強方法をみていきましょう。独学で保育士試験の勉強をするには、いくつか対策方法があります。
保育士の資格取得試験に独学で挑むためにはテキストの選び方が重要なポイントになります。全国保育士養成協議会のサイトでは過去5年間の過去問が閲覧できます。基本をしっかりと押さえるためにも必ずチェックしておきましょう。

また、「社会福祉」の科目は国の制度変更によって改正される可能性がある内容が含まれます。特に注意して最新の情報を確認しておきましょう。
前述で紹介したYouTubeの保育士試験の無料動画なども参考になります。文字を覚えるよりも動画で覚えると頭にも入りやすく、イメージも沸きます。

また、音楽表現や言語表現の課題には無料動画はとても役立つツールです。無料動画を見ながら練習していきましょう。自分で動画を撮影し、無料動画を比べながら自分の技術がどうなのかを判断することができます。何度も繰り返すことで上達していくでしょう。
保育士試験だけではなく、どんな試験においても過去問を何度も解くことは基本中の基本です。筆記試験9科目、実技試験2科目と科目数も多く、出題範囲が非常に幅広い保育士試験を突破するためには、過去問を解くことが重要な勉強法でしょう。5択問題で難問や引っ掛け問題もあり、全科目で6割以上の得点を得なければ合格できません。

保育士試験は過去問が公表されています。何度も何度も繰り返し解いていくことで、理解を深めることができるのと同時に、出題傾向を把握することもできます。
独学は孤独に勉強をしなければいけないため、モチベーションの維持も難しいものです。そこでブログを作成し、訪問してくれる人に対して保育士試験の勉強内容を解説することで、アウトプットでき自分の理解度を確認することができます。

また音声にして、テキストを解説していくのもよいでしょう。誰かに教えるための授業をしているかのように声に出すと、補足した方がよい知識や足りない部分が明確になってきます。ブログにしろ、音声にしろ、補足や質問を想定しさらに勉強をしていくと、知識量も増え、効果的な勉強方法になります。
①~④の勉強を何度も何度も繰り返すことが重要です。例えば、テキストに補足事項を書き込む、要点をまとめたノートを作るなど、自分に合った方法で繰り返し勉強していきましょう。
保育士試験は保育関連や教育関連の学校に通っていなかった方にとっては、なじみのない言葉や項目も多く、難しい資格試験です。しかし独学で合格した人も多く、決して無理な資格試験ではないのです。ここからは独学で頑張るコツをまとめましたので確認してください。
筆記試験は9科目あり、全体で6割以上の得点を得なければ合格できないので、効率的な勉強をすることがコツです。
筆記試験は9科目もあり、多く感じますが、違う科目であっても共通する内容や関係する項目も数多くあります。
まずは全体の範囲を確認し、苦手な科目を把握しておきましょう。苦手な科目がわかれば効率的に時間配分をして勉強しやすくなります。
暗記が必要となる科目や予備知識がない科目は覚えるまで、マスターするまでに時間を要します。毎日少しずつでもよいので、時間を取って繰り返し勉強しましょう。ノートなどに書き出して暗記する、音声を録音して聞いて暗記するなど自分なりの暗記方法を探しておくことも大切です。
保育士試験ではなじみのない言葉も多く、覚えるのも勉強するのも難しいと感じるものです。言葉をただ単に覚えても頭にはなかなか入りません。自分なりの方法で言葉を理解していきましょう。法律用語が難しければ法律を勉強すると頭に入りやすくなります。言葉が意味するものをしっかりと理解していくことで頭に記憶されやすくなります。
過去問は必ずチェックし、繰り返し解いておきたいものですが、制度や法律の改正によっては出題に影響が出る場合があります。古い情報をもとに勉強していると、間違った回答を覚えてしまうことがあります。

しっかりと勉強を進めていけば、このような間違いにも気が付きますが、勉強をスタートしたばかりの時にはこのような点に気が付くことができません。最初は最新の参考書や問題集を使い勉強を進めていきましょう。
実技試験は3つの課題の中から2つを選択して受験することができるので、不得意なものは外しておくのが基本です。
言語表現であれば園児が目の前にいることを想定し、園児に読み聞かせをするためにはどのように感情をこめて話せばよいのか、どのように話せば伝わりやすいか、園児と一緒に歌うならばどうすればいいか、どんな絵が園児に伝わりやすいのかを考えながら対策していきましょう。
地域のボランティア活動などで、実技を実習できる機会があったら利用してみてもよいでしょう。試験当日は緊張とプレッシャーから上がってしまうこともあります。実技実習を何度か経験していけば、極度の緊張やプレッシャーに襲われることも少なくなります。
保育士試験の勉強方法はこれが一番というものはありません。自分に合った方法で、合格レベルに達するために効率よく勉強を進めていくことが大切です。独学で勉強を進めていると煮詰まってしまうこともあるでしょう。そんな時には息抜きも必要です。自分にとって一番効率のよいペースを見つけるようにしましょう。
保育士試験は前期と後期の年2回実施されています。前期は4月、後期は10月ですが各回それぞれ筆記試験、実技試験があります。
保育士試験は筆記試験9科目、実技試験2科目で行われます。筆記試験は保育原理や子どもの保健・食と栄養、保育実習理論など9科目から160問、実技試験は音楽表現に関する技術、造形表現に関する技術、言語表現に関する技術のうちから2分野を選択し実施されます。筆記試験全9科目は100点満点中、60点以上が合格となります。実技試験資格を得るためには、筆記試験をパスしなければなりません。
保育士試験を独学で合格する勉強方法について解説しました。出生率が低下しているにもかかわらず、保育園に入れない待機児童は多く、社会問題になっています。国でも対策を行い状況は改善しつつあるものの、保育士不足は深刻となっています。

そのため保育士の求人は多く、資格を持てば就職先の選択肢が広がります。無資格で保育に携わることもできますが、給与面では待遇が劣ることが多く、仕事の範囲も限られてしまいます。独学で国家資格である保育士の試験に挑むことは決して無謀ではありません。合格した科目については3年間有効期間が設けられているため、不合格になったらまたゼロから勉強ということはないのです。

しっかりと腰を据えて、勉強方法をつかみながら進めていけば決して困難な試験ではありません。自分なりのペースやコツをつかんで保育士試験にチャレンジしてみてください。
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