保育園

保育園と幼稚園の違いは5つ!どっちがいいか決めるときのポイント

2020.04.29
保育園と幼稚園、どちらも子どもを一時、親元から預かる施設というイメージはありますが、具体的にはどのような点が異なっているのか。そして社会のニーズに合わせ多様化する幼稚園、保育園の現状など、子どもをどちらに通わせるか決める際に知っておきたいポイントを解説します。
幼稚園と保育園に関して、自分が通っていた園のイメージはなんとなく持っていても、いざ自分の子どもを入れる段階になってその違いを改めて考える親御さんは多くいます。ここではその判断の手助けとなるべく2つの園の大きな4つの違いを解説します。
保育園も幼稚園も一見するとどちらも、小学校就学前の小さな子どもたちを一定時間預かり、お世話をしてくれる施設と捉える人も多いのですが、それぞれの園は大きく目的が異なっています。

まず保育園ですがこちらは児童福祉法により、「保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする」とされています。つまり乳幼児の健康安全面に配慮し養護するとともに、生活に必要な衣食住の教育をする場です。

一方の幼稚園ですが、こちらは学校教育法により、「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする」とされています。つまりこちらは心身の発達の助長と共に、教育にも重きが置かれることが分かります。園によって方針は様々ですが、教育方針で園ごとの個性が強くなるのは保育園より幼稚園のほうが多いです。
保育園と幼稚園では管轄する国の機関が異なります。保育園は厚生労働省の管轄となり、幼稚園は文部科学省の管轄です。そのため児童福祉施設、教育施設とそれぞれの園は位置づけが異なっています。最近は幼保一体化という言葉も耳にしますが、その場合には両方の省の認可が必要となります。
保育園と幼稚園では預かり時間も異なります。一般に認識されているように、保育園のほうが預かり時間は長くなっており、平均的に午前7:00〜7:30頃から午後5:30〜6:00までの園が多く、中には午後7:00まで開園しているところもあります。

それに対して幼稚園の預かり時間は「満3歳以上の幼児が一日に4時間程度の教育を受けるところ」と定義されているように、午前9時頃から午後2時前後までという所が一般的です。また、夏休みや冬休みといった長期休暇が設けられています。
保護者にとっては、費用も大きな注目点となります。保育園は認可園と無認可園で費用は変わりますが、認可保育園の場合は家庭ごとの収入が考慮された上で保育料が決まり、平均で月に2〜3万円程度の園が多いです。

また住んでいる地方自治体ごとに異なるという特徴があるとともに、保育料以外にもお昼寝用のお布団や食器、お着替え等の用意するものの出費が、園によって多くなる事があるので、入園前によく調べる必要があります。

一方、幼稚園の学費は公立では平均月1万円程、私立では平均で月3万円程となっています。そこにプラスで保育園にはかからなかった入園料や制服のある園ならば制服代などがかかってきます。また保育園も幼稚園も最近ではオプションがつけられるところが多いので、望むのであればそのオプション費用も考慮に入れなければなりません。

保育園と幼稚園どちらの方が経済的かという計算は一律ではできないため、家庭ごとのシュミレーションが必要です。
保育園や幼稚園には通園する以外に様々なオプションが用意されています。保育園については、子どもを預かる施設であっても時間設定があるため、その時間を超えて預かってもらう延長保育がまず挙げられます。そして最近では預かり時間内に英会話や、リトミック、バレエなどの習い事ができるオプションも増えつつあります。

幼稚園のオプションで多く見られるようになってきたのは「早朝保育」や「延長保育」です。また、長期休暇預かりを行う幼稚園もあり、共働きの保護者にとっては安心できるオプションです。

他にも幼稚園には、園内で行う学研幼児教室や英語教室、一般的には保育園より広い園庭を活かした体操教室やサッカーなど、保育園よりも充実したオプションが見られます。ただもちろんどれもサービスではなくオプションなので別途の料金が発生します。
以前は両親共働きならば保育園が常識とされてきましたが、近年は延長預かりなどを行う幼稚園も増え保護者の選択肢は広がりつつあります。ここからは保育園か幼稚園か、どちらに入れるか決める時に、重要となるポイントについて解説します。比較するポイントは以下5点です。

1.メリットを比較する
2.デメリットを比較する
3.園の方針を比較する
4.園に通わせる目的を比較する
5.ライフスタイルに合うか比較する
どちらがいいか決めるポイントの1つ目はメリットを比較する事です。保育園のメリットは受入の対象年齢が0歳児から可能という点です。また園によって差はありますが、基本的な預かり時間が7:00頃から19:00までという保育時間の長さも魅力です。

対して幼稚園のメリットは、教育に力を入れてくれる点です。1日に3〜4時間の教育と定められており、集団行動の中での規律が身に付きやすかったり、就学前にひらがなの書き取りをマスターさせてくれる園も珍しくありません。
どちらがいいか決めるポイントの2つ目はデメリットを比較する事です。保育園は基本的に保育の場であり、特殊な園を除き過度の教育の期待はできません。また、いくら子どもを預かってもらえるとは言え、熱などの体調不良が起こった際にはすぐに保護者への迎えが要請されます。特に入園直後は突然の環境変化によるストレスなどで体調を崩しやすく、ある程度の覚悟はしておく必要があります。

その一方で幼稚園のデメリットとは、イベントや送迎の際に生まれる保護者同士の人間関係です。行事ごとに保護の参加が求められることも多いため、煩わしい人間関係が苦手な人には保護者同士のつながりがデメリットとなります。

そしていくら延長預かりや早朝預かりがあるとはいえ、預かり時間は午前8時から午後6時といった具合で、保育園ほどの長さで預かってくれる幼稚園は多くはないのが現状です。
どちらがいいか決めるポイントの3つ目は園の方針を比較する事です。保育園も幼稚園も、その園ごとの理念や方針があります。その方針に沿って園は運営されているため、必ずその方針をチェックしてください。

園の方針とは、小学校のお受験を目指すならお受験対策に力を入れてくれる園、自然に触れる時間を多くとる園、スポーツや音楽活動に力を入れている園など、その特徴は様々です。多くの保育園、幼稚園はホームページで方針を公開していますし、一日入園や説明会に積極的に参加して情報を入手するようにしてください。
どちらがいいか決めるポイントの4つ目は園に通わせる目的を比較する事です。園に通わせる目的は以下のようなものがあります。

・共働きで時間が取れないから
共働き家庭が半数以上を占める現在、両親ともに忙しい仕事に就いていたり、近くに頼れる親類がいない場合などは少しでも長く子どもを安全に見ていてもらいたいというニーズがあります。

・友達との協調性を身につけさせたいから
今まで対親という少人数の対人関係がメインであった子どもに、同年齢の多くの友達と一緒に過ごす中で、譲り合いや順番といった人間関係の基本となる協調性を身につけてほしいという目的です。

・個性の強い子だからその部分を大切に伸ばしたいから
特に幼い子どもは大人から見ると驚くような個性を見せることがあります。その個性を大切にし、良い方向へ伸ばしたいと考える保護者の場合、個性尊重型の園を選ぶ傾向にあります。

・小学校に上がるまでに集団行動に慣れさせたいから
小学校に上がれば、3、40人のクラスで決まった時間に登校し共に学び、共に給食を取るといったような集団行動が日常になります。その前段階として決められた時間ごとに友達と同じように行動する場を体験させ、少しでも団体行動に慣れさせておきたいという目的もあります。
どちらがいいか決めるポイントの5つ目はライフスタイルに合うか比較する事です。園の方針が家庭の方針と合うかも大切ですが、保護者自身のライフスタイルに合うかの判断も忘れてはならない選択基準です。

最近では働く保護者でも保育園ではなく幼稚園を利用する人も増えており、単純に仕事をしているから保育園という選択肢は無くなりつつあります。だからこそ、通園距離や送迎の有無、お弁当の必要性や、預かり時間など保護者自身の生活リズムが合うかどうか今一度しっかりと考えてください。

無理に子ども優先に決めてしまい、後々ストレスフルな生活となり子どもに八つ当たりをしたり、健康を損ねて子どもに心配をかけてはなんの意味もありません。子どものためにも、保護者自身が無理なく安心して通わせることのできる園を決めてください。
【保育園と幼稚園の5つの違い】
保育園と幼稚園は目的が違う
保育園と幼稚園は管轄が違う
保育園と幼稚園は預かり時間が違う
保育園と幼稚園は費用が違う
保育園と幼稚園のオプションの違い

【保育園と幼稚園どっちがいいか決めるときのポイント】
メリットを比較する
デメリットを比較する
園の方針を比較する
園に通わせる目的を比較する
ライフスタイルに合うか比較する
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