保育園

保育園での教育って?幼稚園との違いや知っておきたい3つのこと

2020.11.18
保育園の教育は園によってさまざまです。本来、保育園の目的は教育ではなく養護のため、以前は幼稚園に比べると教育面のサポートがないと言われていました。しかし、現在はほとんど差がありません。

本記事では保育園・幼稚園の違い、保育園の基本的な教育内容、保育園の教育について知っておきたい3つのことについて解説しますので、ぜひ役立ててください。
保育園と幼稚園は似ていると思われがちですが、根本的な違いがあります。以下では、保育園と幼稚園の違いや、目的の違い、保育園の種類などを解説します。
保育園と幼稚園は、管轄している省庁が違います。保育園は児童福祉施設で、厚生労働省が管轄しており児童福祉法に基づいて運営されています。職員は保育士資格を有しています。

一方幼稚園は、教育施設です。文部科学省が管轄しており、教育基本法に基づいて運営されています。職員は幼稚園教諭免許状を有しています。
保育園と幼稚園は入園方法も違います。認可保育園の場合は自治体が、その他の園は基本的に各園が入園審査を行います。自治体が入園審査を行う認可保育園では、公立・私立問わず、入園申し込みの申請書を自治体に提出し、自治体が申請書をもとに審査します。

対して、認可外保育園や幼稚園の入園審査は、各園で行われます。面談や試験などのプロセスは各園によってさまざまですが、各園の判断でOKと判断されれば、入園できます。
保育園は児童福祉法、幼稚園は教育基本法に基づいて運営されていることから、目的や経営形態にも違いがあります。
保育園は、両親共働きなどの理由で保育に欠けている子どもを対象に預かる施設です。保護者の代わりに子どもたちの心身の健康な発達をサポートすることを目的としています。ただし、2018年に保育所保育指針が改定され、保育園でも教育のサポートが行われるようになりました。

一方で幼稚園は、教育を目的としています。幼稚園で生活しながら、集団生活のルールやマナー、言葉の使い方など、教養を目的としており、未就学児の学校のような施設です。
保育園は、保護者の就労時間に合わせて7:00~18:00ごろまで預けることができます。幼稚園の基本時間は9:00~14:00ごろまでです。どちらも延長保育を利用することはできますが、夜間などに対応しているのは、保育園です。

幼稚園は午後からホールを開放し、習い事のスペースとして利用しているところもあります。
保育園・幼稚園には種類があり、最近では認定こども園が増えてきています。ここでは、保育園・幼稚園の種類と、認定こども園について解説します。
保育園の種類は大きく4つの種類に分けられます。1つずつ、解説していきます。

1.認可保育園
・施設の広さ・職員の人数など、国が定めた基準を満たしており、各都道府県知事に認可された保育園。
・公立保育園・私立保育園の多くは、認可保育園に入る。
・定員60人~300人とさまざま。
・保育料が安いが、待機児童も多くいる。

2.認可外保育園
・国が定めた基準を満たしていないため、認可されていない保育園。
・休日預かりなど、認可保育園ではできない保育対応ができる。
・院内保育園や企業内保育園が該当する。

3.認証保育園
・都会ならではの保育ニーズに応えるため、東京都が独自に定めた基準をクリアし、認証された保育園。
・夜間まで開園している・駅ナカにあるといった認証保育園もある。
・主に私立で、株式会社や社会福祉法人が運営。

4.企業主導型保育施設
・主に株式会社が運営している企業型の保育施設。
・自社の従業員の子どもだけでなく、地域の子どもも受け入れているところもある。
・国の基準を満たし、届出が認められると助成が受けられるという新しい仕組み。
幼稚園の種類は2種類あります。

1.公立幼稚園
・主に自治体が運営。
・子どもの自主性を伸ばす教育方針で運営している園が多い。
・在籍する園児数が少なめなので、園児に目が行き届きやすい。

2.私立幼稚園
・主に学校法人・宗教法人などが運営。
・リトミックや絵画、ヨガなど独自のカリキュラムを取り入れている園が多い。
・園児数166人といった園もあり、在籍する園児が多い。
認定こども園とは、保育園と幼稚園の両方の特徴を持っている園のことで、幼保連携型認定こども園とも言われています。以下に特徴をあげます。

・年長児は〇〇教室といった独自のカリキュラムが日課の中に組み込まれている。
・親が就労していなくても預けることができる。
・長時間子どもを預けることができる。ただし、就労していない場合は短時間。
・0歳児から預けられる。
・地域の子育て支援もしている。
保育園では一体どのような教育がされているのでしょうか。保育園の教育内容について、年齢別に解説していきます。
保育園では、0歳児から預かることが多いため、集団生活の中で基礎的な生活習慣を身につけることができます。たとえば、トイレトレーニングや着脱の練習、スプーンの持ち方や食事のマナーなどです。使ったものを片付けるといったことも学びます。

運動機能と脳の発達には大きな関係があるため、その子の発達に応じた遊びも展開されています。
3歳になると、着脱やトイレなど基本的なことは、ほぼ自分でできるようになります。また、言葉数も増え、好奇心が盛んになってきます。

指先を使うことで脳の動きも活発になるので、保育園では指先を使った遊びが多くなります。たとえば、お絵かきや手遊び、レゴやビーズなどの細かなおもちゃを使った遊びなどです。ハンカチ落としなどのルールがあるゲームも行われています。
4歳になると、情緒面の成長もみられ、人との関わりを楽しむようになります。体操教室などを通じて、楽しさを共有できるようにする園も増えています。

感情が豊かになる・想像力が膨らむ時期なので、ごっこ遊びを多く取り入れる園も多数あります。ごっこ遊びをする際は、より具体的に遊べるよう小道具・大道具の制作を行ったり、実際に近くのお店などに散歩に行き、遊びの中に反映させています。
5歳になると、年長という意識をもつ子どもも増えてきます。そのため、異年齢保育を行っている保育園などでは、小さい子の面倒を見る子も多くいます。

心身ともにバランスが取れてくるので、集団で一つのものを作り上げる、地域の施設に行き交流をするといったことや、自然とのふれあいを多く取り入れる園も多くあります。中には、学習に力を入れ、ひらがななどの読み書きの学習時間を取り入れる園もあります。
保育園の教育方針は勉強・遊び・食育の大きく3つのタイプに分けられます。1つずつ解説します。
最近は、保育と同時にさまざまな教育を受けられる保育園が増えてきています。読み書きや習字、体操などから選べる保育園や、学びの時間が保育時間内に組み込まれている保育園もあります。

種類は1つだけとは限らず、この週は英語・この週は粘土といった具合にいくつも取り入れている園もあります。
遊びの中での学びを重視し、自然とのふれあいや身体を動かすことを大切にしている園も多数あります。保育中心なので、保育士との信頼関係が厚くなりやすく、保護者も安心して預けられる特徴があります。子どもたちは遊びを通して、人間関係や自然の大切さを学んでいきます。
幼稚園に比べ保育時間が長い子どもたちは、おやつを食べる機会も多くなるため、食育に力を入れる保育園も増えつつあります。

実際に畑で野菜を育てるところから、水やり、収穫までを自分たちで行い、収穫した野菜は、給食室で調理してもらったり、各クラスで簡単なクッキングをしたりします。食育を通して、食の大切さを学びます。
保育園の教育について知っておいてほしいことは、乳幼児にとって教育=勉強ではないということです。ここでは3つの観点から解説していきます。
いい大学へ行けるように、小さい頃から読み書きや英語をさせたいと、学習・勉強に重きを置いている保護者も多く見られますが、幼児期の子どもにとっては、虫取りや、ごっこ遊びも大事な勉強です。

遊びながら友達との関わり方を学び、協力したり・時にぶつかりながら、相手の気持ちも考えられるようになります。ブロック遊びなどを通して、創造力が磨かれます。心が健全な子は遊びの中でたくさんの学びがあったといえるでしょう。
現在、保育園・幼稚園ともに個性あるさまざまな教育方針が掲げられていて、違いは少なくなってきています。職員の子どもへの接し方や子どもを思う気持ちにも違いはありません。

保育園・幼稚園選びをする際は、子どもに合っているか・両親の教育方針と一致しているかを考慮して選ぶことをおすすめします。
正直なところ、幼児期に勉強したかどうかは、将来の成績とあまり関係がありません。なぜなら、子どもが楽しいと感じていたかどうかが重要だからです。

親にすすめられて、半ば無理に勉強をしていても成績は伸び悩むこともあります。反対に、スポーツや音楽など幅広いものにチャレンジしている子どもが成績優秀ということもあります。子どもが興味を持ったことをさせてあげましょう。
保育園と幼稚園の違いを紹介しました。違いは以下の通りです。

・保育園は児童福祉法に基づき生活のサポートをする。
・幼稚園は教育基本法に基づき教育をする。
・現在は、保育園も幼稚園もそれほど違いはなく、両方の特徴を持った認定こども園も増えている。
・教育=勉強ではなく、子どもにとっては遊びも勉強に入る。

保育園か幼稚園、迷った時には子どもに合った園、両親の教育方針に合った園を選ぶようにしましょう。

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