保育園

育休中は保育園を退園になるの?継続のための利用条件や注意点を解説

2021.01.27
皆さんは、育休中の保育園利用に関してどのような考えをお持ちでしょうか。育休中の保育園の継続利用は基本的には可能ですが、実際に申請する上での注意点をご存じない方もいるでしょう。今回の記事では、育休中の保育園利用に関する制度の詳細、継続利用の条件や注意点を解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
育休中の保育園利用は原則として可能です。しかしながら、2人の子どもを同じ保育園に預けている保護者は、下の子どもの育休中に上の子どもを保育園に預けて良いのか心配な方も多数います。

このようなケースでは、地方自治体ごとに継続利用の条件が定められていることが多く、この条件に合致した場合、上の子どもを保育園に預けることができます。
保育園の継続利用に関して定めている制度があります。それは、「子ども・子育て支援新制度」です。この制度は「子ども・子育て関連3法」に基づき2015年4月に施行された制度で、保育園の継続利用の条件として、「保育を必要とする事由」があることをあげています。
では、具体的に「保育を必要とする事由」とはどういうものでしょうか。それは、「子どもの事情」と「大人の事情」の2つの視点から考えることができます。例えば、「大人の事情」としては、就労や求職活動、就業があげられます。

すなわち、第二子を出産した段階で、上記の条件に当てはまっている場合は、保育園の継続利用ができます。

参考:よくわかる「子ども・子育て支援新制度」|内閣府
その一方で、「保育を必要とする事由」の解釈は自治体の判断によって異なります。例えば、埼玉県所沢市では、市のホームページ「育児休業中における在園児の保育の継続利用」のページで、「継続利用の条件に沿っていない場合は、翌々月にて一旦退園」としています。

内閣府は「保育の必要性の認定について」のホームページ内で「保育を必要とする理由」として子ども・子育て新制度にて「市町村が客観的基準に基づき認定する」という記述があります。従って、育休を取得している状況でも一概に保育園の継続利用ができる保証はありません。
産休中の保育園の継続利用については、内閣府が「子ども・子育て支援新制度」の中で保育園を利用する事由として「妊娠・出産」をあげているため、基本的には利用可能です。産休とは出産予定日までの6週間前を指す産前休業と、出産後の8週間を指す産後休業のことを指します。

育休が条件付き取得であるのに対し、産休は誰でも取得できます。従って、産休中の保育園の継続利用は地方自治体に関係なく可能です。
育休中の保育園利用が注目されるようになったきっかけとして、2015年の埼玉県所沢市での出来事があげられます。同年、埼玉県所沢市では、下の子どもの出産後に取得した育児休暇を理由に上の子どもが保育園を退園になる「育休退園」が訴訟問題まで発展しました。この出来事をきっかけに「育休退園」という言葉が広まりました。

埼玉県所沢市では、「利用継続できる事由を除き、原則出産月の翌々月末にて上の子は一旦退園」と定めていました。訴訟は、原告側が育休終了後に復職し再入園したことを理由に訴えが取り下げられました。

参考:育児休業中の保育について|所沢市
「育休退園」の背景には待機児童の多さが関係しています。厚生労働省の発表では、2020年4月1日時点での待機児童は1万2,439人となっています。埼玉県所沢市も、「育休退園」の理由に待機児童問題をあげているように、いまだに待機児童問題を抱えている自治体が多くあります。

また、施設の公正利用という観点からも、保育の必要性があるにもかかわらず、定員オーバーで保育園に入れない子どもがいる一方、保護者が保育できる環境にありながら保育園を継続利用していることは不公平であるという考え方もあります。

従って、自治体によっては、待機児童問題解消に向けて、育休中の子どもを退園させて待機児童にその枠を提供する動きもあるようです。

参考:保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)|厚生労働省
育休中の保育園の継続利用には条件があります。その条件は自治体によって異なるようです。以下で一般的な保育園の継続利用の条件についてお話しします。
保育園の継続利用に関する条件の一つとして、子どもの発達への悪影響があげられます。

例えば、保育園の退園に伴う生活リズムの乱れから、体調が優れなくなってしまうこと。もう一つは、同年代の子どもとの関わりの減少に伴い、協調性や社会性を育むことが難しくなることがあげられます。
保育園の継続利用に関する条件の2つ目として、母親の健康状態があげられます。主に、母親の健康状態が思わしくなく、上の子どもと下の子どもの2人同時での育児が難しい場合は上の子どもの継続利用が認められます。
保育園の継続利用に関する条件の3つ目として、退園した場合の社会参加が困難であると予想される場合です。主な例として、子どもを保育園に預けることができないと職場復帰が困難なケースや、両親の介護をしているケース、災害復旧が必要なケースでは継続利用が認められます。
さまざまな継続利用の条件がある中で、育休中に保育園を利用する際の注意点について以下で解説します。利用手続きや条件などが設定されているので、事前に把握しておきましょう。
保育園の継続利用においては、原則として自治体に申請することが必要です。申請は自治体が用意した申請書に必要事項を記入して提出する形となります。様式は自治体ごとに異なり、利用する保育園、育児休業取得期間、復帰予定日、保育園を継続利用する理由を記載することが多いです。

保育園の継続理由に関しては、あらかじめ利用する保育園の自治体で認められている事由を確認しておくことが大切です。
一方で、継続利用の申請を行い承認されても、利用時間に関しては短くなってしまうケースもあります。例えば、共働き世帯では、長い保育時間が必要になってくるケースもあることから原則8時間、最長11時間預けることが可能な「保育標準時間」の適応が多くなっています。

下の子の育休に伴う場合は、保育が著しく必要である状況とは言い難いことから、最長8時間までの利用となる「保育短時間」の適応となり、お迎え時間などが変更になることもあります。
保育園の継続利用に関して一番の情報源は、市町村の保育課もしくは担当窓口です。昨今、インターネットの急速な普及に伴い、保育園の継続利用に関しても、インターネットで検索することで一定の情報を得ることは可能です。その上で、市町村によって保育園の継続利用の方針や現状、申請方法は異なるため、不明点などがある場合は速やかに市町村の保育課などに問い合わせましょう。
今回の記事では、保育園の継続利用に関して以下の点を中心にお話ししました。

・育児休暇中の保育園の継続利用は条件付きで可能である
・育児休暇中の保育園の継続利用は市町村の保育課などに申請する必要がある
・育児休暇中の保育園の継続利用条件は発達環境上の問題や保護者の体調の問題などが一般的である
・不明点は速やかに市町村の保育課などに問い合わせる

育児休暇中の保育園の継続利用には条件があることから、より正しい情報を手に入れることが大切です。「育休退園」になることのないよう、不明点などは速やかに市町村に問い合わせましょう。

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