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保育園の入園希望理由欄に書くべきこととは?書き方のポイントも解説【記入例つき】

2021.03.31
入園を希望する場合は、入園申請書類を書きます。ほとんどの入園申請書類には、入園を希望する理由の記入欄が設けられています。入園審査は点数制で、同じ点数で並んだ場合は入園を希望する理由や事情が考慮される可能性があります。従って、入園希望理由欄を使って事情や理由を記入しておくことが必要です。

入園が厳しくなってきている最近は、特に注意が必要です。今回は、入園希望理由欄に書くべき事柄についてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
では、実際に保育園の入園希望理由欄はどのようなもので、入園審査においてどれほどの重要性があるのでしょうか。ここからは概要とその重要性について解説します。
保育園は、入園審査で認められた場合に入園可能です。入園審査は、保育を必要とする事由を考慮するもので、国の定める「保育所入所基準指数表」に基づいた点数制です。点数が同点になった場合に、優先すべき要件も定められています。
一般的に入園申請書類には、入園希望理由欄があります。この入園希望理由欄に保育の必要性も記載することで、アピールが可能です。入園審査では、保育の必要性を点数化して審査を行うことが前提ですが、可能性が高まるという意味合いで入園希望理由欄への記載はした方が良いでしょう。
入園希望理由欄には、保育の必要性を明確にする内容を書く必要があります。例えば、ひとり親家庭で経済的に働く必要がある上に父母などの介護があるといった事情を記入します。その保育園を選んだ理由として、通勤途中に園がある・自宅や実家が近いことなども列挙すると良いでしょう。
では、希望理由を記入する際に気を付けた方が良い点とは何なのでしょうか。以下でご紹介します。
希望理由は保育がなぜ必要なのか、家庭で育児ができないのはなぜなのかを正直に記入します。虚偽の内容は書かないようにしましょう。また、就労や出産、自身の疾病などを希望理由としてあげていた場合、申請時に雇用証明書や病気もしくは障害の診断書をともに提出することになります。従って、虚偽内容を記載しても通りません。
保育方針への共感を希望理由に記入することも、良い方法です。保育審査は「点数制」であるため、点数が並んだ場合の参考になる可能性があります。兄弟がすでに通っているために同じ保育園を強く希望する場合には、このような内容を記入するのも良いでしょう。
保育園の入園審査においては、「点数制」が採用されており、利用基準が市町村ごとに設けられています。「子ども・子育て支援法」に優先的に利用できるケースが示されています。これに該当する場合は、希望理由欄に記載すると良いでしょう。一方で、市町村によって優先事項の運用は異なるので、注意が必要です。

「厚生労働省:優先利用に関する基本的考え方」
シングルマザー・シングルファザーなどのひとり親家庭においては、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に基づく配慮義務があります。
生活保護を受給している場合に適用されます。就労による自立支援を受けて自立していることが前提条件です。
生計を維持する世帯員が失業した場合、代わりに就労しなければならない場合に適応されます。
虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)などで、社会的養護が必要な場合に適用されます。里親委託のケースも同様です。
子どもに障害がある場合に適応され、障害児保育を実施している保育所に優先利用できる可能性が高くなります。
育児休業を消化し、職場復帰をする場合に適用されます。育児休業前に認可保育園を利用して再度希望する場合や、育児休業後に認可外保育園から認可保育園などに移りたい場合が該当します。
上の子が幼児で1号認定、下の子が乳児で3号認定の場合も含みます。
地域型保育事業の支援義務として、保育園への適切な利用移行があり、その一環として優先度の確保があります。
保育士、幼稚園教諭の確保という観点から、保育士などに優先度を高める場合もあります。
事情や理由が入園希望理由欄の所定スペースに収まらなかった場合や、入園申請書類に入園希望理由欄がない場合は嘆願書を準備します。嘆願書には、詳細な事情や理由を記入すると良いでしょう。
入園希望理由欄を記入するにあたり、入園を希望する理由や事情を細かく明確に記入することは大切ですが、具体的にどのような文調で記入したら良いのかお困りの方もいらっしゃるでしょう。以下では、入園希望理由の記入例をシチュエーション別にご紹介します。
夫の勤務先の業績悪化に伴い、給与が減り家計が非常に厳しい状況になっています。夫の実家並びに私の実家も遠方のため、祖父母に子どもを見てもらうことも困難です。すでに就職活動を行い、内定もいただいております。雇用予定証明書も合わせて添付いたしますのでご確認のほど、よろしくお願いいたします。
現在は育児休業中です。育児休業終了に伴い保育園に預けた上で、職場復帰を考えています。祖父母は高齢のため子どもを預けることが難しく、保育園に預けるしか選択肢がありません。これ以上の育児休業の延長は解雇の可能性を招いてしまうため、避けたい状況です。保育園の入園承諾をしていただきたいと考えています。


育児休業中ですが、今回の入園申請で入園承諾がなかった場合、育児休業の延長になります。そのため、もし職場復帰ができない状況になると市の規定にのっとり上の子が保育園を退園せざるを得ない状況になってしまいます。上の子が退園となると、さらに職場復帰が難しくなってしまうため、入園承諾をいただきたいと考えています。
現在は、認知症の母親と同居しており、日々母親の介護も行っております。母親は認知症の影響からか自立歩行が困難になり、食事介助や排せつ介助などが必要で目が離せない状況です。私の体力も限界が来ており、このままでは介護と育児の両立は困難です。


認知症の母親と暮らしております。精神状態が不安定な私の母親は、いきなり大声をあげたり、徘徊行為により行方不明になってしまったりと目が離せない状態です。親族も遠方に住んでおり、頼れる状況にありません。私自身も、心身ともに限界の状態にあり、このままでは、育児に影響が出かねません。どうか入園の許可をお願いいたします。
添付した診断書の通り、病気のため働くことも保育することも困難な状態にあるため、保育園の利用が必要です。病気の治療に専念するためにも入園許可をお願いいたします。


私は、〇〇という病気による体調不良のため日常的に通院をしています。現在、通院が長引いている状態で、病気の治療に専念するよう医師からも言われています。治療の専念に伴い保育園の利用が必要になるため、入園の許可をお願いいたします。
認可保育園への入園を希望していますが現在まで入園できず、職場復帰をしなければならなかったため、認可外保育園を利用しています。保育料が高額で、今後も継続して通園することが難しい状況になっております。ぜひ、入園の許可をよろしくお願いいたします。


認可保育園の入園ができず、現在は認可外の保育園に通っています。家庭の経済状況が困窮状態になってきており、就労が必要となりました。また、今の保育園の保育料も高額で継続して通うことも難しい状況です。入園の承諾をしていただきたいです。
現在、在宅で仕事をしておりますが、家計が苦しくなってきたため安定した収入が必要です。従って、フルタイムとしての勤務に切り替えて働きたいと考えています。仕事の発注先が決定している在宅仕事なので、雇用予定証明書を添付いたします。入園が決定次第、働くこととなっているので、入園承諾をいただきたいです。
今回の記事では、以下のポイントを中心に解説しました。

・入園申請書類には、入園を希望する事情や理由を記入できる「入園希望理由欄」がある
・入園希望理由欄には、保育の必要性を明確にする内容を書く必要がある
・入園審査は、「点数制」のため利用基準を設けており、「子ども・子育て支援法」に記載がある
・保育園への入園希望が強く、入園希望理由欄に書き切れない内容がある場合は嘆願書の提出もできる

入園希望の場合は、手順に沿って入園希望理由を記入します。入園審査は点数制のため、優先事項を頭に入れて、入園希望理由を明確に記入すると良いでしょう。

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